現在30代くらいの看護師たちが入職した時代は、それまでに行われていた新人教育から少し厳しさが和らいだ状態でした。看護協会を中心に、看護師の早期離職を防ぐ取り組みが行われていたからです。とはいえ、厳しく指導する先輩も多く残っており、それなりに厳しい教育を受けてきました。しかし、今の若い世代に対しては、当時のような教育はまったく通用しない可能性が高いです。
まず、看護学校に入学するまでの流れや、学校で行われる実習の内容が昔とは異なります。実習では実技が昔ほど多くなく、指導もゆるくなっているのが現状です。実際に看護師として働き始めてからの教育に関しても同じで、昔と比べるときつく当たるような指導は少なくなりました。というのも、ほとんどの職場では「一人前に育てる」よりも、「1年で辞めないようにする」というのが目標になっているためです。
今の20代はコミュニケーションが苦手な人が多いです。部活やアルバイトの経験のない人も多いため、先輩看護師が頭を悩ますことも多いようです。コミュニケーションツールとしてメールやLINE、SNSをメインに活用してきた世代ですので、直接面と向かって話すという行為が苦手なのかもしれません。相手のことを考えて会話をするという能力が落ちているのです。
しかし、看護師として業務を行う上では積極的なコミュニケーションが必要になります。医師のサポートが主な業務内容になりますが、医師は多忙なため指示を細かく出せません。ある程度の概要は伝えてくれるので、細かい部分は意図を汲んだ上で自主的に考え行動しなければならないのですが、今の新人は言われたところまでしかできないのです。むしろ、「ここまでしか言われませんでした」と開き直るケースも多くあります。そのため、すべてを細かく説明しなければ動いてくれないという悩みが、後輩を指導する先輩看護師の多くを苦しめています。
コミュニケーションが苦手なことに加え、注意した際にすぐ落ち込んでしまう打たれ弱さもあります。患者の命を左右する仕事のため、指導が厳しくなるのは当然のことなのですが、それに耐えられずすぐに辞めてしまう新人看護師が多いのです。そのため、1年で独り立ちを目指すよりも、2年3年と時間をかけながら長い目で教育をしていくということが必要なのかもしれません。
厳しい指導を受けて育ってきた側からすればなかなか納得できないかもしれませんが、そのような後輩が多いのは確かです。ぐっとこらえ、これも仕事のうちと考え、まずは辞めないように指導をしていくようにしていきましょう。
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